三線の世界にはコンクールというものがある。今回はコンクールのために沖縄に来た。そして今日が私の本番で、人生最後のコンクールだ。
大賞部門は出番が遅いので、出発も遅い。朝からマンゴーをむいて食べたりのんびり。先生を迎えに行き、たわいない話をしながら会場へ向かう。
先生は先生なりに弟子に気を使ってくれているらしく、寄ったドラッグストアでユンケル黄帝液を買ってくれようとする。しかし私はルーチンを重視するタイプ。ユンケル飲んで唄がうまくなるわけでもなかろうし、慣れないことはしたくない。結局リポビタンDを買ってもらったけど、飲まず(笑)
サンドウィッチで軽く腹ごしらえし、いつもと同じ手順で声出しをして、一回だけ先生の前で唄う。一年ぶりの対面練習一回で本番に臨むのはもちろん一般的ではないと思うけど、そんなに無茶してるというつもりもない。
お恥ずかしいことに自分では着付けも髪結いもできないので、みんな他の人にやってもらった。今日髪結いをしてくださった方は出場者のお母様でとにかく手際がいい!ヘアクリームもほとんど使わず、髪を解いた後がすごく楽だった。
前回はゴッテゴテにメイクされたので今回もそうかと思い薄化粧で行ったらメイクは特になく、時間もないので普段と同じ顔で出ることになった。
すぐ時間となり舞台裏へ。さすがに大賞ともなれば待機中の付添人も静か。前の人の演奏を聴きながらぼんやり待つ。
自分の出番。緊張して声が小さくなるのは織り込み済みだが、二番に入る時に腰から三線がずり落ちた。ポジションがずれて違う弦を弾いてしまい内心ギャー!!ブザーは鳴ってない。もう失格になっているかもしれないけど、このまま行けるところまで行こう。
後半になればなるほど緊張する傾向にあるけど、このミスのせいで開き直って逆に普段通りできた気がする。
終わって外に出ると、著名な先生からどこかの知らない人まで「…さっきあれ三線落ちたの?」と声を掛けられ苦笑い。そーだよね、大賞という大舞台でそうそうやらかすミスじゃない。本当に、舞台では何が起きるかわからないものだ。
結果を待つ必要ないかな、でももしかしたら失格にはなってないかも…と悶々としてる間に結果発表が始まった。結果は歌唱賞。うーん二位…!一位狙って出場したので残念な結果ではあるけど、あのミスで失格にならず減点で済んで二位ならそう悪くはないかと思い直す。
喜んでいいのか悲しんだ方がいいのかよくわからないビミョーな感じで私のコンクールは終わった。
先生とジミーでごはんを食べる。ジミーってお菓子屋さんと思っていたらごはんも食べれると言われたので来たらビュッフェレストランだった。特に沖縄的なものはない。でも、滅多に会えない先生とごはん食べながらアレコレ話す時間は貴重だ。
はあ、今日まで色々頑張った。今夜はご褒美に富士屋ホテルの高級シートマスクを使って就寝。