ちょっと旅してくる

わが身ひとつで気ままに生きる。

三線教師免許受験の旅 2日目

7:30に先生から「朝ごはん行くよ」とメールが入る。昨晩は8時から朝食と言っていたのにー。

 

…先生と一緒に行動しているとよく「ひもじくないか?」と言われる。こちらは充分過ぎるほど大人なのでお腹が空いたら空いたと言えるし、お財布もあるんだからそんなこと心配しなくていいのにねと、言われるたび「大丈夫よー」と返しつつ姉弟子とコッソリ笑っている。

でももし私が小学生ぐらいの知り合いの子供を連れ歩いていたら、きっとちょくちょく「お腹空いてない?」って聞いちゃうなーとも思う。だって心配だもん。

先生にとって弟子は年齢とか関係なく「庇護すべき存在」なんだと思うとくすぐったくも温かい気分になる。私もいつか弟子を取ったらそう思う日が来るんだろうか。

 

開始2時間前に会場に到着。外で発声練習をする。なんだかすごくピリピリしていたけど、30分ほど好き勝手に発声練習をしたら気分が落ち着いてきた。髪を結ってもらい着物を着る。正座がしやすそうなウシンチーにしてもらった。

試験は正座で行われる。コンクールはじめ、民謡は立ち弾きが基本なのになぜ試験だけ正座なのか、不思議で仕方ない。ぶっちゃけ試験一か月前は唄の練習よりも「スムーズな立ち座りと足がしびれない正座の方法」を練習をしていた。

 

着物でウロウロしていたら、舞台上でリハができるよと声をかけてもらった。入場・退場の合図とルート、立ち座り(座布団あった!良かったぁ)、調弦、視点の確認だけして一瞬で終えた。

出番前に何度も何度も練習をしている人を見かけるけど、先生も私も出番前に喉を疲れさせるのはよくないという考え方なので、いつも発声練習と最低限の確認程度にしか唄わずに本番を迎える。

 

免許試験とコンクールはだいぶ違う。コンクールは落とす試験で出場者同士はある意味競争相手だけど、免許試験は拾う試験だ。受験者は同志で、一定のレベルを保持しているかの確認という感じ(※完全に個人の主観です!)。

なので雰囲気もやることも違う。受験者は一列に並び、審査員&来客に挨拶し、それぞれ研究所と氏名を紹介されてから試験開始だ。

 

全員で合唱の1曲目が終わり舞台ソデにはけた途端、私以外の受験者が調弦を始めた。あれ?調弦って2曲目までいじっちゃいけないんじゃないの?

と思っていたら、違う研究所の先生が客席からすっ飛んできた。どうやらリハの時、私だけが複雑な調弦していたのを見ていて、これはルールを知らないのではと様子を見に来てくれたとのこと。なんとありがたい…というか私に伝わっていた情報は何だったのよ!

うちの研究所は先生を通さず、事務局や支部から門下生に直接情報が伝わることが多い。「先生呼ぶ?」と聞かれ、「大丈夫です(必要なのはチューナーであって先生じゃないし)」と言ったけど結局呼んできてくださった。ああ、先生慌ててるよ~かわいい…じゃなくて、だから呼ばなくて良かったのに!もう調弦終わったし。

 

個人演奏は2曲ある。ある人が不思議な調弦をしたので、どんな曲なのかな?と思ったら調弦が間違っていただけだった…。コンクールならブザーで一発不合格だけど、幸か不幸か免許試験にブザーはない。私にはどうしようもないのに、舞台裏でオロオロする。本人は気づいていないようで、そのまま2曲目に入り終了。…きっと緊張してたんだろうなあ。こっちまで緊張が高まり、舞台裏でめっちゃ喉が渇いて他の人からお水をわけてもらった。緊張すると本当に喉渇くんだなあ。でもその後の人はすごく安定してて上手で、聞いてたら少し落ち着いた。

 

そして私の番。2曲はあっという間に終わった。調弦時の作法をひとつすっ飛ばしたような気がするけど、曲そのものにミスはなし。緊張しないように一点を見ていたのと、気持ちは落ち着いているはずなのに体が緊張していて、後半になるにつれ声が震えてきたのを覚えている。とりあえず無事終わってほっとした。ホールの外で立派なカメラを持った人が先生と一緒に写真を撮ってくれたけど、連絡先聞くの忘れたなぁ。

 

教師試験の後に師範試験があり、師範試験が終わって20分もせず合格発表となった。コンクールと同様に受験番号が張り出される。結果は無事合格で、ひと安心だ。先生も嬉しそうだったので良かった。

 

一度行ってみたかった会長のお店に行けることになったので、周囲を観光して夜を待つことにした。まずは最近やちむんにハマっている私の希望で読谷村のやちむんの里へ向かう。

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その前に「道の駅かでな」で遅い昼ごはん。試験が終わってほっとしたのか、やっとお腹が空いてきた。特別に何が入っているわけでもないけれど、手作りハンバーガーがなんだかすごくおいしい。

もぐもぐ食べている私を姉弟子が「良かったねぇ、緊張してたんだね」と笑う。ほんとだなぁ、緊張してたんだなぁ。

 

やちむんの里に来たのは3回目ぐらいだけど、本格的にやちむんに興味を持ち始めてからは初めてだ。観光地としてお皿を眺めるだけじゃなく、自分が家で使うなら…とシビアに見る!

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かわいいお皿がたくさんあって迷う!!買おうかと目星をつけたものは一応写真を撮っておいて戻る時に忘れないようにしておく。
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このあたりのお皿も柄はすごくかわいかったんだけど、切りっぱなし(?)みたいなお皿そのもののデザインが私には難易度高くて(主に収納面で)今回はあきらめた。

 

残波岬に大きなシーサーがいるというので見に行く。蔡温橋のところにも大きなシーサーがいるけどどっちが大きいのかな~と思っていたら…
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残波岬の方が比べものにならないぐらい大きい!!これ10mぐらいあるんじゃないの?!

ここはエイサー会場にもなる公園らしくて、唐船を模した舞台もあった。客席に向けて少し傾斜していて、全員が一直線に並んでも後列の人までちゃんと見えるようになっている良く考えられた舞台で面白かった。
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荒れた残波岬。リーフに白波が立っている。内地よりずいぶん暖かくても、海はまだ北風のようだ。


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ご褒美にステーキが食べたい!店はどこでもよかったので確かステーキ屋がいくつかあったな…と美浜のアメリカンヴィレッジへ。ステーキハウス88に入る。何年か前にHAN'Sに行った覚えがあるけど、88のが好きかも。サラダバーあるし!これは230g。うーん、さすがちょっと多いなぁ。

アメリカンヴィレッジはガイドブックで見ると沖縄まで来て行かなくても…と思うけど、行ってみるとけっこう作りこまれているしお店も多くて賑わっていて、私は結構好き。

 

近くのイオンへ行き、免許試験前に課題曲(古典)のお稽古をしていただいた知り合いの古典の先生へお礼の泡盛を配送手配。今回初めてちゃんと古典を習って、ああ古典は様式美、ピアノやバレエならクラシックなのだなと思った。民謡メインでやっていくにしても、古典の面白さもなんとなくわかってすごくためになったし古典の知識・経験があるとちょっと違うのではないかと。門下生でもないのに時間を取ってお稽古していただいて非常にありがたかった。てなわけで民謡のためにも古典も少し勉強したいので、今後もよろしくお願いします!という気持ちを込めて。

 

その後は会長のお店へ。いや~ずっと行きたかったんだよ~。ドアを開けると店内ところ狭しとポスターが貼ってあって、ボックス席やカウンターの奥に舞台、壁に守礼門が描いてあって…みたいなザ☆民謡酒場で期待通り!!会長の唄もたくさん聴けて楽しかった!

 

日付が変わる頃ホテルに戻る。ポマードを塗りこまれた髪を二度洗いし、昨日買った入浴剤をやっと使う。怒涛の一日が終わる。