今日は8時過ぎにホテルを出発。マーケットの付近をぐるっと回るが、欲しいものもないのにあの匂いと汚れの中に切り込む気は起きずダマヤンヂー寺院に向かう。途中でリウとすれ違った。私も彼も止まりはしなかった。これでいいんだ。私には私の旅が、彼には彼の旅があるのだから。
一人になったので今度こそ遠慮なく小さめのパゴダ達を覗きまわって堪能する。ダマヤンヂー寺院の近くのSouthGuni&NorthGuniは手前の方は壊れていて入れず、もう一つの方は入れた。バガンは平原で、大きな森はあまりない。メインストリートから離れた、ガイドブックにロクすっぽ載っていないパゴダは人がいなくてとても静かで、乾いた風が吹きわたる。本当に居心地がよかった。
とはいえ昨日の「最悪の道」の教訓で、道があってもeバイクが入れないところは潔くあきらめることにした。だって泥にハマって誰も通らなかったら困るし。
シュエサンドーとダマヤンヂー間のパゴダ群を見て、やっぱり漆器を見に行こうと走り出したところで反対車線の地元民兄さんと目があった。向こうはUターンしてこちらの車線に入り、どこから来た、何日目だと聞いてくる。兄さんは「登れるパゴダに行きたいか?」と言った。そのパゴダは地図には載っておらず、おおよその場所とナンバーを教えてくれた(バガンのパゴダにはすべて番号が振られている。もちろんビルマ文字で)。
大きくて綺麗でにぎわっているパゴダより小さめで寂れていて人がいないパゴダが好みなので、地震で壊れているところとかに逆に寄っていってしまう。斜めになったいくつかのパゴダ群に入っていくと、そこは兄さんが教えてくれたパゴダにドンピシャだった!すごいぞ私、ついてる!親切にも案内してくれるという兄さんに自分で探すから大丈夫と断ったのに、ちゃんと見つけられるなんて!
上に登る気マンマンなので、お邪魔しますとブッダにちゃんと挨拶をした。神様の居場所に上がりこんで礼儀正しくしない奴には、あまりいいことがないような気がする。でも、異教徒でもちゃんと挨拶をしておけば悪いようにははらないような気がする。この感覚は昔からあって、特別な信仰を持たない身でも「敬虔な心」はあるんだな、と不思議な気分になる。
このパゴダは一見とても登れるようには見えないんだけど、堂内正面入ってすぐの左右対称のくぼみ、実は左側にだけ階段があり、頭をぶつけそうな狭さのところを登っていくと上のテラスに出られるのだ。
シュエサンドーにたくさんの人が群がっているのが見える。でもここには私しかいなくて、近くのパゴダに羊が群れているのが見えた。この景色を独り占めなんて贅沢だー。兄さんありがとう!次どこかで会って砂絵とか売ってたら買うよ私!
道々の小さいパゴダをチェックしつつ、ニューバガンに向かう。かなり大きい工房に併設された漆器屋に入る。細工の細かさはすばらしいが、塗りが雑なんだよなぁ塗りが。値段の割にイマイチだ。
体力的には問題ないけど汗を流したかったし日焼けもしたくなかったのでホテルに戻り昼寝、16時に起きてまた兄さんのパゴダに向かう。法学的には朝日向けだと思うけど、せっかく教えてもらったし静かなところだしここがいいと思い日没予定時刻の約1時間半前!からスタンバイ。しばらくすると少しずつ人が来た。やっぱり知っている人は知っているんだなぁ。と言っても全部で7人。それぞれ適当に散らばって座っているので視界に入ることもほとんどなく相変わらず快適。写真を撮りまくり暗くなりきる前に退散した。
タラバー門の通り抜けにスピードを落としたら欧米人夫婦に道を聞かれる。日本でも良く道を聞かれるけど、海外でも多いな・・・。ニューバガンに戻るらしいが、この暗さじゃ大変だ。私は夜ご飯に向かう。魚のカレーはパクチーモリモリでおいしかった。
ホテルに戻ったらフロントから、明日のタクシーは手配済で4:45出発だよ!と念を押された。昨晩も「明朝何時に出る?」って電話してきたし(eバイクの手配があるから)、なんでも先回りでやってくれて助かるわー。
買っておいたミャンマービールを飲む。まずくはない。苦くはない。薄くもない。しかし1缶飲んでも酔いが来ない。ビールのせいなの?私のせいなの?
明日は朝早いので荷造りをして早めに寝る。使い倒したホテルの地図ともお別れだ。バイバイバガン、またいつか来て探検したいよ。