ちょっと旅してくる

わが身ひとつで気ままに生きる。

イギリスの旅 4日目

朝ごはんは8時半の予定が、8時半から準備を始めるホスト。今日は旦那さんがイングリッシュブレックファストを作ってくれた。趣味の話などで盛り上がり、家を出たのは10時半ごろ。

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今日は今更だが地理の確認も含めてバスに乗ってみた。時間はかかるが安いし周囲がよく見えて良い。ナショナルギャラリーとコヴェントガーデンとハーマジェスティーズシアターがすぐ近くなのを知り、今日はこのあたりで過ごすことにした。

まずはナショナルギャラリーから。 

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平日なので制服を着た小学校低学年ぐらいの子供たちが課外授業に来ている。先生ではない、おそらく学芸員が床に座った子供たちに質問をする。みんな一斉に手を挙げて当ててもらおうとするし、学芸員はexellent!!!を連発する。あまりにもかわいくて絵の写真を撮るふりをして子供たちを撮った。 

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美術館にいかに自然光を取り入れるかは展示スペースと光量と劣化防止との板挟みだろう。でもやはり自然光で見る絵が一番美しい。

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個人的な目玉はこの「レディ・ジェーン・グレイの処刑」だ。去年の「怖い絵展」に貸し出されていたけれど、3時間待ちとかでとても行けないと諦めた。ここでは特に混んでもいないので、ド真ん前に陣取ってゆっくり見る。

たった9日間の在位で処刑される17歳の女王。若い…というよりまだ子供のようなつやつやした手が、首を載せる台を探している。絵の美しさと時代背景があまりにも対極的だ。

 ナショナルギャラリーのカフェでランチをしたら、ポットがなぜか南部鉄器で出てきた。

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コヴェントガーデンは「MyFairLady」のセットに合わせて整備したらしいが、ちょっと小綺麗すぎるかな。ここでのお目当てはEastIndiaCompanyだ。東インド会社…なんてステキな響き!!世界史好きにはたまらない。今や商標だけで実体が残っているわけではないとわかっていてもたまらない。お茶屋としてのレベルは正直わからないのでジャケ買いに徹する。 

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今日は待ちに待った「オペラ座の怪人」の日だ。全体がよく見える2階の一番いい席を買った。ハーマジェスティーズシアターは大使館や高級デパート近くの雰囲気になじむ重厚な造りの建物で、早めに行ったけどもうけっこうな人数がいた。席の狭さに驚く。隣とみっちりで、お尻の大きい外人さんはどうやって座るんだ?という狭さ。f:id:snusmumriken2016:20180315075344j:image

オペラ座の怪人」は普段、ロンドン初公演でサラ・ブライトマンがクリスティーヌを演じたCDを聞いている。劇団四季と映画は見たことがあるけどもう10年以上昔のことで、舞台上の動きはほとんど忘れていた。

アンドリュー・ロイド・ウェーバーが作曲したこのミュージカルで、妻であるサラ・ブライトマンは一介のミュージカル女優から世界の歌姫に駆け上がった。まるでファントムとクリスティーヌの関係性そのものじゃないか…と、いつ思い出しても一人勝手に感激する。

いつも通りラウルはガキでクリスティーヌは愚か者でファントムはすごいカッコイイ。超カッコイイ!第一幕の途中で天使の飾りが妙な位置まで降りていてなんだろう?と思ったらファントムが乗っていた。舞台中央、私の席と同じ高さ、私の真正面だ…!

遠くでラウルとクリスティーヌが愛を語り合うのを聞き、打ちひしがれるファントム。つられて泣きそうになるほどの迫真の演技。クリスなんてやめて私にしときなよ!私はファントムが一番好きだよ!

良かれ悪しかれ「極端」であることは孤独だ。卓越した音楽的才能を持ちながら醜い容姿のために世間と断絶されているファントムは、きっとどこかで自分を諦めていただろう。しかしクリスティーヌという触媒を得て、抑えきれない人恋しさと自尊心が爆発する。アンドリュー・ロイド・ウェーバーは天才だ…。

 

いやーすばらしかった。生演奏だし。ファントム真正面はちょっとした事件だったな。一番いいチケット買った甲斐があった。ファントム最高!カーテンコールもファントムが一番最後で、やっぱ主役はファントムなんだな。本当に素晴らしい一日だった。イギリス万歳!!