朝ごはんを食べに街に出る。同行者から特に要望が出なかったので、私が行先を決めた。
カート式飲茶を経験したかったので、ネットで検索して見つけたロンドンレストランというお店に行ってみた。地元民もいて、かつ観光客でも敷居が低そうな雰囲気だったので。
何種類かの点心が載ったカートを押しながら、おばちゃんが品名を呼んで歩く。エビ=ハーガウ、というのは覚えたので「ハーガウ☆%@&」と聞いて海老シュウマイか海老ギョウザに違いない!と手を挙げて呼び止める。
蒸し籠の蓋をひとつづつ取って中身を見せてくれるので、気に入ったものがあればもらう。おもしろい!!飲茶を食べるなら断然シート式よりカート式だ!
点心をもらうとカードにスタンプを押してくれて、あとで清算する。高くても1品30元(450円)程度で、二人で5品も頼めば食べきれないぐらいの量になる。味は普通においしい。
ここロンドンレストランはだだっぴろい結婚式場のようなところにテーブルがたくさん置いてあって、点心をつつきながら新聞を読む地元民らしき人から私たちのような観光客まで客層は様々。観光客にもある程度慣れているようで、英語を話す従業員は見当たらなかったけれど身振り手振りで意思疎通は十分できるし、カートのおばちゃんもカメラを向けるとピースしてくれたり、ごく普通の飲茶を体験できて楽しかった。
2泊した宿をチェックアウトする。壁に絵を描いたり色々飾ったり、ゲストハウスとして奮闘していた。安かったし便利な立地だし、香港はここで良かった。
マカオ行きのフェリーが出る中港城まで歩く。少し雨が降ってきた。チケットを買うと「あと5分でフェリーが出るから走れ!!」と言われる。えっ!!別に私たち急いでないんだけど!!
本当はフェリー乗り場の写真など撮りたかったのに、とにかく走って船に乗れと言われターミナル内を爆走。パスポートチェックは本当に見てる?というほど雑で、荷物検査もなし。バックパック背負ってこんなに走る羽目になるとは・・・!
ぜぇぜぇ言いながら乗船。キンキンに冷房が効いた船内で汗に濡れたシャツが冷え、めちゃ寒い。しかもアウターフェリーターミナルに行こうと思っていたのに、船はタイパフェリーターミナルに着くという。どういうことだこれは!!
とりあえずホテルに向かうことにした。チェックインできなくても荷物だけ預かってもらいたい。マカオのホテルは「グランド・ラパホテル(金麗華酒店)」。タイパターミナルからホテルまではサンズ・マカオのシャトルバスに乗って移動(グランド・ラパはサンズ・マカオの隣にあるので)。マカオはターミナルからあちこちの有名カジノやホテルがシャトルバスを運行していて、宿泊客かどうかなどはいちいち確認されない。
予定より早く着いたけど、問題なくチェックインできた。グランド・ラパは旧マンダリン・オリエンタルで、チーク材を多用した年季の入ったロビーやバーが素敵。年降るものの魅力はお金では買えないもんな…逆に客室はきっちりリノベーションされているのですごくきれいだった。決め手はプールと朝ごはん!!
フェリーとチェックインで遅くなったけど、ひとまず昼ごはんを食べに行く。ホテルの近くのスーパーマーケットでマカオパスを買い、バスに乗ってセナド広場近くの福隆新街にある蝦卵が載った麺が有名なお店へ。
エビの味がしっかりしていておいしい。ランチからずれた時間に行ったので空いていてすぐ座れた。観光客がたくさんくるのだろう、写真つきのメニューあり。小さくて古いお店だけど、おばちゃん従業員がせっせと床をモップで拭いていて好感が持てた。
さて、お腹も落ち着きやっと観光開始。誰もが必ず来るであろうセナド広場へ。食べ歩きグルメもたくさんあるマカオ随一の観光スポットだ。
んー確かこっちのほうだったような…と古い記憶を頼りに進む。
聖ポール天主堂跡!やっぱりマカオに来たならまずこれを見ないとね!まーとにかく観光客が多い。昔もこんなだったかなぁ。中国人と韓国人がとにかく自撮りをしまくっていて通行に支障をきたしている。
天主堂跡の右手にある「モンテの砦」にのぼる。石段をせっせと上って汗だくに。大砲がグランド・リスボアを狙っている。
グランド・リスボアの奇天烈な形は景観破壊であると同時に、マカオタワーとの位置関係で自分がどこにいるか一目瞭然なので便利。
大陸からやってくる中国人観光客は①高いところ②食べ物がないところ③学術的なところ④知名度が低いところ の合わせ技になればなるほどその数が減っていく。モンテの砦は①②③を兼ね備えているので、上まで来れば中国人はほとんどいない。ゆっくり見られてよい。
モンテの砦から天主堂跡を見下ろす。正面ファサードだけが残っているのがよくわかる。マカオには他にいくつも教会があるが、どうしてここは再建しなかったんだろう。
変な時間にお昼を食べたので、セナド広場で胡椒餅を買い、コンビニでお菓子とビールもどき(ほぼジュース)を買ってホテルで夕飯とした。
今日は平成最後の日。ホテルのテレビでもNHKが映り、各地の喧騒を伝えている。この正月が2回来たかのような「改元」の感覚はおそらく海外の人にはわからないだろうな。実務上は西暦主義だけど、元号は文化としてあっていいと思う。イスラム教だってイスラム暦があるわけだし。
少なくとも今までの改元は天皇崩御とセットだったのに対し、今回は退位なので心置きなくお祝いができるだけでも良いことじゃないか。83歳まであんなに働いてもらったのだから充分だ。電波障害でテレビが映らなくなった一瞬で、日付が変わり令和を迎えていた。
できるだけ災害や戦争が少なく、お金はそこそこでいいので心豊かに生活でき、好きに旅ができる時代であってほしい。